ライカⅢfその2
症状
シャッター速度ダイヤル「1-30」の時、低速ダイヤル「30」以外の設定では、シャッターボタンを 押したらシャッター幕は開くが閉じない。
次のアクションとして巻上レバーを回転すると、シャッター幕は閉じる。
推定原因
低速(1-30)設定時の低速ダイヤルとスローガバナとの連結不良
修理記録 (2018年9月)
♥まず、工具を使わないで外せる部品を外します。フィルム巻き取りスプール、底カバー、レンズとレンズキャップです。
♥4本のビスで固定されているマウントリングを外します。
♥マウントリングの座にねじ込んである4本のビスも外します。これらは、遮光板などの内蔵物を固定しています。
(ただし、この4本を外すのは、このタイミングではなく、本体前板を外す時まで待っても十分間に合います。)
♥本体カバーを本体前板に固定している黒いビス2本を外します。
♥軍艦部カバーを本体カバーに固定しているビス4本も外します。
♥ここまでで本体カバーを外す準備ができました。
本体カバーを抜く時に圧着板に傷付けたくありませんから、フィルムが走る隙間にテレフォンカードの様な薄い板を入れます。
この状態で、本体を上に、本体カバーを下にスライドさせます。
♥外した本体カバー、マウントリングと、ビスです。
♥本体カバーに乗ってる圧着板も外します。
♥圧着板の陰から圧着バネが出て来ます。無くさない様に保存します。
♥ここで、低速ダイヤル「2」にして動作を確認します。やっぱりシャッター幕は開きっぱなしです。
♥ここから前板を外します。
前板は5本のビスで本体に固定されていますが、右の写真でまだ外していない2本は他の3本に比べると短めになっていますから、要注意です。
♥前板は下方向にスライドして外しますが、距離計からのレバー(右の写真の中央上)と低速ダイヤルからのレバー(右の写真では見えない)が引っかかりますので これらを逃がしながらスライドします。
♥外した前板とビス5本です。
♥前板の裏側です。
茶色く見える真鍮の部品は、低速ダイヤルからのレバーで、先端はスローガバナのレバーに引っかかります
♥この2つのレバーがうまく引っかかっていなかったのがトラブルの原因と思われますので、前面の丸穴から、しっかり引っかかって居ること確認しながら前板を組み付けます。
丸穴の中、右上に見えるのが低速ダイヤルからのレバー、中央下に見えるのがスローガバナからのレバーです。
♥低速時での動作確認も行います。
低速ダイヤルの設定を色々変えても、シャッター幕は正常な動作をする様になりました。
めでたしめでたし。