OLYMPUS35
症状
2005年に友人から譲り受けたままのOLYMPUS35。全体に薄汚くなっている。動作は問題無さそう。
推定原因
カバーの酸化、汚れ
手入れ記録 (2014年5月)
1.
軍艦部金属メッキの汚れ除去
軍艦部全体がすすけた様に汚れています。正確には、これはメッキ金属の酸化で、シンナーである程度まではきれいにできますが、根本的にはコンパウンドで磨かざるを得ません。
さほどこった作り方をしていないので、ここまでは簡単にばらす事ができました。 写真下部の軍艦部カバー、中央部のシューバネ材の酸化、巻き上げレバー押さえの異物付着が気になりましたので、これらを磨き取ります。
「ヨゴレ落し用コンパウンド(汚れ取り・ツヤ出し)」(サンライト)をこすりつけて拭き、最後は水洗い、乾燥の手順です。
2.
ファインダー清掃、距離計調整、黒塗装補修
軍艦部の中はこんな感じ。
ファインダーユニットの中にも汚れが回って来ていましたので、綿棒の先に「レンズクリーニングリキッド」を付けて、レンズ、ガラス板を拭きます。
ただし、ハーフミラーの表面は弱いので、触りません
ファインダーを覗いて二重像の確認をします。
ずーっと遠方の被写体を見た時に二重像がピタッと一致してくれれば問題無いのですが、このカメラはずれていました。
写真の中央にある黒くて小さいネジが二重像の調整用です。頭に溝が切ってありますので、マイナスドライバで調整します
写真右の方にごく薄くて黒い板金が見えますが、これはファインダー内の遮光版です。今回は、これの塗装剥げもありました。
「ツヤ消し黒」のラッカースプレーで補修しました。
3.
底板はきれい・・・何も手当しなくて済んだ
念のために底板を外しましたが、擦り傷も酸化の無く、きれいでした。
底板を外した本体内部です。
極めてシンプル。
4.
後ろカバーのさびの除去と黒塗装補修
表から見える部分の清掃、補修はここまでで、後ろカバーを開けます。
写真の様に、圧着版をはさんで左右の部分でかなり広範囲にサビが付着しています。紙やすりでこのサビを除去するのですが、目は240番を使います。
さび落としが終わったら、黒塗装の補修です。
本来であればヒンジの部分で本体から外して補修したいのですが、ヒンジの軸が固くて抜けません。従って、後ろカバーを本体に付けたまま補修します。
写真の様に、黒ラッカースプレーで黒ラッカーを吹き付ける部分以外は、すべて、完全にカバーします。
全体的には、こんな状態です。
補修が終わりました。
5.
レンズの清掃
シャッター速度をB、絞りを全開放にして、シャッターボタンを押したままにします。
右の写真の状態ですが、この状態で先端に「レンズクリーニングリキッド」を浸み込ませた綿棒を突っ込んで、レンズの内側を清掃します。
清掃、補修の完了
きれいに生まれ変わりました。