Canonet QL17(G-Ⅲ)

 

Canonet QL17(G-Ⅲ)

 

紫白 症状

2000年には正常に動いていたが、2010年再確認時にバッテリーチェックランプが点灯しなかった。

 

 

紫白 推定原因

パイロットランプの劣化か?

 

 

 

修理記録 (2013年12月)

 

手順

 
右の写真中の赤いチェックボタンを押しても、パイロットランプが点灯しません。

 

手順

1.
ランプを確認するために、軍艦部を取ります。取り外すビスは3本です。
これは後ろ側の固定ビス。

 

手順

これは左側の固定ビス。

 

手順

これは右側の固定ビス。

 

手順

2.
巻き上げノブも外します。
下手に工具を使うとキズ付けてしまいますので、親指と人差し指に指サックをはめて、ノブ押さえを反時計方向にねじって外します。

 

手順

3.
巻き戻しノブの外し方は簡単です。
フィルムカートリッジ用のシャフトにほってある溝に時計ドライバーを突っ込み、ノブを反時計方向に回します。

 

手順

ここまでに軍艦部から外した全部品です。

 

手順

4.
軍艦部が外れました。
このカメラの機構として、軍艦部と本体とはリード線でつながっていません。

 

手順

5.
これが問題のパイロットランプです。
見た目は問題ありません。ランプホルダー取り付けビスを外します。

 

手順

6.
取り付けビスを外しました。
ぼんやりと写っているのはビスと絶縁ワッシャです。ランプホルダーはチェックボタンのスイッチ接点も兼ねているので、本体からは電気的には浮いています。

 

手順

バッテリーチェック部分で取り外しした部品です。
上から絶縁用スペーサー、接点用板金部品、絶縁ワッシャー、ビスで、取り付け順です。

 

手順

7.
取り外し後の本体側です。
これからパイロットランプのリード線を切断して、ランプの単体テストをします。

 

手順

8.
単品になったパイロットランプ。

 

手順

ランプ切断後の本体。
2本のリード線はレンズユニット横を通って底から伸びてきています。ちなみに電池ボックスが底にあります。

 

手順

9.
単品にしたパイロットランプを電池に接続しました。電池は「MR-9」。
「MR-9」は、とっくの昔に市販中止になっているので、現在市販されているアダプターにLR44を入れて代用します。
写真の左が本物のMR-9、右側がアダプターです。
案の定、点灯しません。
念のために大切に取っておいたMR-9を直接パイロットランプにつないでみました。なんと、点灯するではありませんか。
ランプは壊れていなかったのです。

 

10.
もう一度アダプター付き電池で試すと、やはり点灯しません。
そこで、テスターでランプ電圧を測ると0.5V程度しかありません。電池LR44の出力は、古くなっていたとは言え、1.3Vはありました。
次にランプの内部抵抗を測ると22オーム、いやな予感を感じつつアダプターの内部抵抗を測るとダイオード特性有りの50オームでした。
今回のトラブルの原因はこれです。MR-9アダプターの内部抵抗が大きすぎたのです。

 

手順

11.
急きょ内部抵抗無しの電池アダプターを作る事にしました。
材料は、ビデオテープカセットをばらして切り取った写真の左側様なプラスティック部品です。これを削って右の様な部品にし、下に小さな銅版を当てリード線をはんだ付けして内側に回り込ませました。

 

手順

裏から見た新アダプターです。

 

手順

12.
ランプのリード線を本体側とはんだ付けし、取り付けしなおしました。この状態で点灯確認します。

 

手順

13.
本体とチェックボタン接点板をチェック用リード線でつなぎますと・・・
見事に点灯しました。

 

手順

14.
再度軍艦部を組み込みます。
写真の様にチェックボタンを押すと(親指)、パイロットランプが点灯します。
この後、フラッシュの点灯も確認して、今回の修理は終了です。

 

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