HI-MATIC 7

 

HI-MATIC 7

 

紫白 症状

2010年にバラバラにしたあげく、部品を壊してしまった。壊れた部品はAA用の連結レバー。

 

紫白 推定原因

部品破損ならびに組み付けいい加減

 

 

 

 

修理記録 (2014年2月)

 

手順

1.
まず、最大の問題である壊してしまった部品の確認です。
軍艦部を外すと見えます。矢印の部品です。
下の鏡胴部分から出てきているレバーで絞り羽根の開閉を行っていますが、先端が折れて無くなってしまっています。本来であれば先端部に穴があって、そのあるべき穴は、このレバーの左隣に見える穴とピンで連結されていなくてはなりません。左隣の穴は、バネで押し下げられていますが、メーターの針と連動して動きます。このレバーには、勝手に「AAレバー」と名付けます。

 

手順

2.
バラシます。バラシます。バラシます。
右側が修理対象のカメラで、左側がパーツ取り用ジャンクです。

 

手順

3.
鏡胴の再組立てからスタート。
ここで、矢印で指し示した小さなステンレスの部品はシャッター速度ダイヤルのクリック感を出すための板バネですが、置いただけでは写真の様にはみ出てずれてしまいます。

 

手順

この様に板金の下にしっかりとはめ込みます。

 

手順

4.
その上に絞りダイヤルリングを乗せます。このリングの切欠きに、下から出てきている絞り羽根開閉のツマミがはまる様な位置です。

 

手順

5.
さらにその上には薄いステンレス板を置きます。これは、絞りダイヤルリングとシャッター速度ダイヤルリングとの間の摩擦を軽減します。

 

手順

6.
シャッター速度ダイヤルリングを置きます。このリングの切欠きに、下から出てきているシャッター羽根速度設定のツマミがはまる様な位置です。

 

手順

7.
ここまで済んだら、鏡胴先端部を固定します。
固定には3本のビスを使いますが、写真中で締めているビス1本だけ長いので注意が必要です。この長い1本は、上にかぶさってくるCdS露光部の回転防止用です。

 

手順

8.
ここまで組みあがりましたので、シャッター羽根の動きや絞り羽根の動きをチェックします。
同時に、X接点が正常に働くかもチェックします。写真の様に外部X接点にフラッシュをつないでシャッターを切る、点灯確認で十分です。

 

手順

9.
前球をねじ込みます。ねじ込む前にはレンズ、羽根側ともに十分清掃します。

 

手順

10.
Cds露光部を入れて、それをリングで押さえます。押さえリングは、ケガキコンパスを溝にはめ込んでねじって固定します。

 

手順

11.
Cds露光部がちゃんと働いているかどうか、2本の赤色リード線間の抵抗値をテスターで読みます。正確な値は判りませんので、CdS部への光の入る量やフィルム感度を変えた時に、抵抗値が変わってくれればOKとします。

 

手順

12.
鏡胴部の表側の再組立てが終わったので、裏側に移ります。
写真の中の部品AがAAレバーで、これを良品と交換しなくてはなりません。そのために、上にかぶさっているガイド部品Bとシャッター連動レバーCを外します。

 

手順

13.
AAレバー(A)を正規品と交換しました。シャッター連動レバー(C)は、まだ外したままです。

ここまでの作業で大トラブルが発生しましたのでメモしておきます。ガイド部品(B)は2本のビスで固定されていますが、このうち1本(写真上側)はコード押さえと鏡胴本体に共締めで、他の1本(写真下側)は鏡胴本体のバカ穴を貫通して板ナットで締められています。大トラブルは、板ナット締めのビス(写真下側)で発生しました。 このビスは緩めるだけにしておかなければならないのに外してしまったのです。おかげで再び板ナットと締め付ける時にとても煩雑な作業になってしまいました。

 

手順

14.
次は遮光フードを取り付けます。ビスが小さいので要注意です。上の部品は距離計とのつなぎになるもので、これも再組み付けします。

 

手順

15.
鏡胴部の再組立て終了です。

 

手順

16.
完成した鏡胴部をカメラ本体に固定します。固定ビスは4本です。

 

手順

17.
CdSからのリード線2本(赤色)と電池からのリード線1本(青色)は、写真の場所で、下から出てきます。

 

手順

18.
メータを組み付ける前に、動作確認します。

 

手順

19.
動作確認できたら、メーターを取り付けます。

 

手順

20.
良品AAレバーは、写真の様に下から出てきています。

 

手順

このAAレバーをメータ側とつなぐピンです。左側がバラバラになった状態で、ねじ止めできる2部品あり、AAレバーの穴を通してAAレバーを2部品間で締め付け固定します。
写真右側が、AAレバーの一部を挟み込んだままの2部品です。

 

手順

21.
結合完了です。

 

手順

22.
ここまでの組み込み状態を上から見てみました。2つの矢印で指し示されているのはメーター固定用のビス2本です。

 

手順

23.
底板も再度組み付けます。

 

手順

24.
電池を入れます。正規品のMR-9はすでに市販されていませんので、アダプターを使います。
写真左から、電池蓋、アダプター、LR44です。

 

手順

25.
メーターの振れ、マニュアルでのシャッター羽根、絞り羽根の動きが正常か確認します。
個別の動作確認後、写真の様にシャッター速度、絞りともにA(オート)に合わせて、AAでの動作確認をします。

トラブル発生!!
入力光が明るかろうが暗かろうが、絞りが目いっぱい絞られたままだー!!
 
AA働かず、再び、分解します。トホホホホ
 
 

 

手順

26.
底カバーを外し、メーターを外し、鏡胴部を本体から外します。
配線は外しません。
写真の状態でも、AAレバー(部品A)の動きはスムーズではありません。

 

手順

27.
トラブルの原因は、AAレバー(部品A)がガイド部品(部品B)にこすれてしまい、動きがスムーズで無いからでした。
ガイド部品(部品B)の固定ビス2本を緩めて、できるだけAAレバー(部品A)から逃がして固定してやると、AAレバー(部品A)の動きはスムーズになりました。

 

手順

28.
メーターと鏡胴部を本体に再び組み付けます。
AAでの動作も問題なくなりました。

 

手順

29.
ここまでに底カバーを外しての作業を繰り返しており、その間2件のトラブルが発生しました。
 
トラブルその1・・・スプリング(部品A)の足外れ。このスプリングは、フィルム巻き上げ後歯車を定位置に止めるための爪を押し当てる役目をしている。スプリング力が掛らなくなると、歯車の位置が狂い、シャッターボタンが落ちない。
 
トラブルその2・・・部品Bのつぶれ。おそらく鏡胴組み付け不良による?つぶれた為に鏡胴のシャッターチャージを完了させる事ができなかった。

 

手順

30.
軍艦部カバーも取付け、最終の動作確認をします。

 

手順

31.
「全て順調」のはずでしたが、残念!!
フィルムカウンターが動いていません。

 

手順

32.
再び軍艦部カバーを外します。
矢印で指し示したスプリングの足が外れていました。このスプリングは、カウンタを進める(回転させる)爪を押し当てる役目のものです。

 

手順

判りにくいですが、矢印の様に引っかかっているのが、正解です。

 

手順

スプリングを掛け直した後、カウンターは正常動作に戻りました。

 

手順

33.
ここまで来ました。

 

手順

34.
カバーのゴムを貼ります。
カバーの状態は、向かって右側が半分だけ剥がされ、左側は完全に剥がされています。シャッター部の金属カバーはゴムカバーの下になります。

 

手順

35.
向かって右側を貼ります。小道具としては、つまようじとセロテープを使います。

 

手順

向かって左側は、全体位置合わせをしセロテープで仮留めした後に、ヒンジの部分から貼ります。

 

手順

貼り付け第1ステップは写真の状態で、接着剤が乾くまで放置します。接着剤も写真に入れておきました。

 

手順

36.
接着剤が乾いたら、貼り付け第2ステップとして、向かって左側の残りの部分を貼り付けます。
この後、巻き上げレバーを組み付けて、ようやく完成です。

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