ライカⅢfの修理

ライカⅢf前編

　症状

2000年に購入した時からフラッシュが点灯しなかった。それが正常なのかと思っていたが、そうでも無いらしい。

　推定原因

X接点への配線の断線

修理記録前編　（２０１４年３月）・・・長期戦を戦いましたので修理記録は４部構成にします。
　１．軍艦部カバーの取り外し　（こちら→）
　２．スローガバナー清掃と再組み付け　（後編へ→）
　３．「フラッシュ点灯セズ」の原因と修理　（後編へ→）
　４．軍艦部カバーの再組み付け　（後編へ→）

今回の修理に際してビスを無くしてしまいましたが、幸いにも「ライカショップくらもち」さん（こちら→）から購入する事ができました。感謝！！

１．軍艦部カバーの取り外し

１．
ファインダー対物レンズのリングを外します。左右２つとも。
外す時にキズを付けたくありませんので、専用工具を使って反時計方向に回しています。

２．
２つとも外しました。

３．
次にアクセサリーシューを取り外します。４本のビスで取り付けられています。

シューの下には、薄いステンレス板が敷いてあります。無くさない様に。また、方向性がある様ですから、記録しました。

４．
次は巻き上げノブを外します。Ⅲｆの巻き上げノブには、フィルム感度表示用の窓が有り、その為メカ部品のユニットになっています。
巻き上げノブはイモねじで固定されています。それ以外にピンらしきものが打ち込まれていますが、これは気にしなくて良いものです。

このイモねじは緩めるだけにして、決して外してはいけません。
このイモネジを緩めた後はノブを反時計方向に回転すれば、抜けて来ます。
　
しかし、不幸にもイモねじを外してしまいました。

５．
外したイモねじを再びねじ込んで上手く軸まで入ってくれれば、ノブを反時計方向に回します。
しかしねじ穴がずれてしまうと、イモねじを最後までねじ込むのは至難の業です。この場合は、極細のマイナスドライバーをネジ穴に突っ込んでグリグリ調整しながら軸まで到達させ、突っ込んだ状態でノブとマイナスドライバーを一緒に反時計方向にまわします。
　
こうしてフィルム巻き上げ軸から外した部品が左の写真です。左側の部品（ワッシャ）から順番に積まれています。

６．
ワッシャ以外の５部品を組み立ててノブのユニットにしておきます。

７．
ここで、本体内部の巻き上げ機構を見る為に、本体カバーを外しました。
その手順を紹介します。
軍艦部カバーの取り外しだけを通しで見たい場合は、次は手順１２になりますので、ここをクリックして下さい
　
本体カバー外しは、最初にマウントリングを外します。

８．
カバーの前面に２本の黒いビスがありますから、これを外します。

９．
軍艦部カバーの正面側に３本、裏側に２本（写真）の飾りビスがありますので、これを外します。

１０．
本体カバーが外れました。
フィルムの圧着版、板バネ２枚も一緒に外れて来ますので、取り付け方を間違わない為に、記録を取っておきます。

１１．
機構部が、軍艦部カバー付きで裸になりました。

ここまでに外した単品部品です。

１２．
巻き上げノブを取った後、軍艦部カバーに残った部品です。カウンタダイヤルと関連する歯車が見えます。

１３．
巻き上げ機構の部品をすべて外しました。左から、シャフト、カウンタ目盛、歯車、ワッシャ、ノブで、この順番で積み上がっています。

１４．
巻き上げ機構を取り去った後の軍艦部です。

１５．
リワインドのレバーはビス１本で固定されています。

１６．
次は、巻き戻しノブ外しです。巻き戻しノブを上に引っ張り上げると、マイナスビスの頭が見えますので、これを外します。この時、リングに上下があるので、要注意です。ビス穴は下側になります。

巻き戻しノブを外した後、軍艦部カバー側を見ると、カバーを押さえているリングが残っています。カニ目のリングです。

１７．
カニ目リングは細いマイナスドライバーを当てて緩め、その後は手で回して外します。
ここまで外した巻き戻しノブ部の４部品です。ノブの頭、巻き上げシャフトとのつなぎのリング、ビス、カニ目リングです。

１８．
次はシャッター速度ダイヤルを外します。

シャッター速度ダイヤル側面のイモねじを緩め、ダイヤルを引き抜きます。
ダイヤルの下にはマイナスビスがありますので、これも外します。

軍艦部カバー側には、写真の様に部品が残ります。

１９．
シャッターボタン周りのリングを外します。指サックをしてねじれば緩みますので、そのまま回転して外します。

２０．
シャッター速度ダイヤルに戻ります。
シャッター速度ダイヤルを外しマイナスビスを外した後、アルミニウムでできた部品を浮かせると、この部品が３本のイモねじで固定されている事がわかります。
3本のイモねじを外して、この部品を抜き取ります。
上から絶縁用スペーサー、接点用板金部品、絶縁ワッシャー、ビスで、取り付け順です。