ヤシカminister
症状
1996年フリマで購入した後、絞りが効かなかったのでジャンクから部品流用した。
しかし、その後もスロー秒の領域でのシャッター開時間が、ダイヤル設定値より長めの様な気がする。
推定原因
スローガバナー内のチリ、汚れ
修理記録 (2014年2月)
1.
今回は、スローガバナを取り外して清掃します。
その為に、鏡胴のバラシを開始します。前面からです。
写真中の黄色い矢印がユニットの境目で、それよりも前面の黒い筒の部分が前球ユニットです。
見たところ前球ユニットを外す為の溝やビス穴が有りません。
やむを得ず、工具無しの人力作戦です。両手の親指にゴムサックをはめて前球リングに押し当て、ねじります。
2.
前球ユニットが外れました。
こちらは、前球ユニット取り外し後の本体です。
3.
本体の鏡胴部を拡大して見ます。
歯車の様な押さえリングと、このリングの回転を阻止するピンが、赤いペイントで印付けた様に配置されています。
このピンをマイナスドライバーで180度回転してやると、ピンの頭が押さえリングよりも低くなり、押さえリングを回転できます。
押さえリングを外す前に必ずシャッター速度と絞り値を記録します。今回はBと2.8です。
4.
押さえリングを外しました。
5.
押さえリングと、ダイヤル部も外しました。シャッター機構が出て来ました。
外した押さえリングとダイヤル部です。
6.
シャッター機構はシャッター制御カムで覆われています。このカムを外す前には、カムとピンの状態を記録しておきます。
写真は、シャッター制御カムを外した状態です。
ここで初めて、今回の狙い「スローガバナ」が姿を現しました。赤線で囲んだ部分で、矢印で示した3本のビスによって本体に固定されています。
7.
外した3本のビスと、スローガバナユニットです。
8.
スローガバナユニットを外した本体側です。
2つの黒いビスで締めつけたネジ穴には、シム(薄いスペーサー)が噛ませてありました。
光の関係でシムが判りにくいので、別の角度からも記録しました。
9.
ここまでに取り外した部品です。
10.
外したスローガバナユニットは、まずベンジンに漬けて洗います。
ベンジン洗浄の後動きを確かめて、スムーズに動けば防錆潤滑剤を吹き付け、防錆潤滑剤がしっかり回り込んだら再びベンジン洗浄します。
11.
再組み付けします。
矢印で指し示したビスを締めつけすぎたのでガバナーの動きが悪くなってしまいました。要注意です。
12.
ダイヤル部の再組み付け前の状態です。
赤丸で囲んだ部分の奥に、絞りのドッキング用溝が見えます。飛び出ているピンはシャッター速度のドッキング用です。この2箇所のドッキングをきちんと行って、押さえリングで固定します。
13.
押さえリングをはめ、赤印が合致する位置でピンによる回転防止を行います。
前球を付ける前に、後球内側(前側、羽根側)をクリーニングします。クリーニングには、綿棒に巻いたレンズクリーニングペーパーを使います。この時、シャッター速度はB、絞りは最大解放(2.8)です。
この後は、前球ユニットをはめて、しっかりねじ込めば完了です。